PHASE13 捕虜 


「それって、僕が投降さえすれば、アークエンジェルを見逃してくれるっていうことなの?」

やや時間をおいてキラから返答があったが、キラの声は震えている。どうやら、かなり動揺している様子。アスカは、このままキラと戦い続けてアスランが使い物にならなくなったり戦闘データを蓄積されるのを防ぐため、それに加えてアスカの直感がなんとしてでもキラを確保すべしと告げていたので、キラを説得にかかることにした。

それに、今の状況では、足つきをここに留めておく術は無い。卑怯な手段を使えば別なのだが、アスカにはそこまでする気は無い。まあ、相手が勝手に誤解する分には構わないので、あえて誤解を招きやすい言葉を選ぶくらいはするが。

アスカは、諭すようにゆっくりとキラに話しかけた。

「ああ、そうだ。私の仲間が来る前に、君が投降すれば、君の友人は助かるだろう。地球軍の兵士達も、大勢助かる。だが、どうしても戦うというならば、多くの血が流れるだろう。君が願うのは、君や友人の安全なのか、それとも地球軍の勝利なのか、良く考えて欲しい」

アスカは、自分達が戦えば、大勢の死者が出るだろうと指摘した。アスランから聞いたキラの人となりが正しければ、この言葉でかなり迷うはずだった。だが、当然ながら邪魔が入る。どういうところがキラと波長が合うのかわからないが、最近急速に親しくなったシンジである。

「駄目だよ、キラ君。ザフトに捕まったら、もう二度と僕達と会えなくなるかもしれないよ……」

シンジは、必死になってキラを止めようとする。友達作りが下手なシンジにとって、仲良しになったキラを失うことは、とても辛いことなのだろう。半分、涙声になっている。

「そうだよ、キラ君。君だけが犠牲になることないって」

マナも、シンジと一緒になって引き止めようとする。だが……

「シンジ君、マナ、その気持ちだけで嬉しいよ。でも、僕は決めたんだ。みんなが助かるなら、投降するよ……」

キラは、涙目になって言う。自分ひとりの犠牲で皆が助かるなら……。それに、アスランやその友人達ならば、自分を悪いようにはしないだろう。誰も死ななくてすむ方法は、それ以外には見つからない。そう考えたキラの乗るストライクは、ゆっくりとブリッツに向かっていく。




「今のうちです。直ちにこの場を離れてください」

アークエンジェルでは、レイが艦長のマリューに詰め寄っていた。確かに、今のうちに逃げれば、クルーゼ隊から逃げられるだろうし、ここに残っていても第八艦隊が助かるわけでもない。

「で、でも……。キラ君を見捨てるなんて……」

とはいえ、人間そう簡単に割り切れる者ばかりではない。キラを人身御供にする踏ん切りがつかないマリューは戸惑うが、レイは一歩も引かない。

「提督をザフトに渡してはいけません。それは、艦長もおわかりのはず。ましてや、今の提督はお怪我をなさっているのですから、敵の本隊が来る前に逃げないと手遅れになります」

運がいいのか悪いのか。たまたまアークエンジェルに立ち寄っていたハルバートン提督は、メネラオスに向かおうとしたところでブリッツの襲撃に遭い、怪我をしてアークエンジェルに戻ってきていた。その時にかなり混乱したため、モビルスーツの発進が遅れ、ブリッツの攻撃を止めることができなかったのだ。

ただ、結果論ではあるが、もしもモビルスーツが出撃していたら、モビルスーツ同士の戦闘に巻き込まれて、艦隊の被害はもっと大きかったかもしれない。ブリッツは正確に武装のみを攻撃していったので、乗組員の被害自体は皆無ではなかったが、それほど大きいものではなかったのだ。

しかし、犠牲者が殆ど出なかったことで、第八艦隊の生存しているクルーの数は極めて多い。このため、アークエンジェルに第八艦隊のクルーを収容しきれないという事態に陥っている。仕方ないので、ブリッツのパイロットが捕虜を手荒に扱わないことを信じて、ザフトの捕虜になってもらうしかないだろう。今は、敵本隊が来る前に、一刻もこの場を離れる必要がある。そうしないと、アークエンジェルが追撃を受ける可能性が高いのだ。

レイは、その辺の事情をマリューに話して、この場から即座に離れるよう進言した。ハルバートン提督に頼んで命令するのが早いのだが、残念ながら提督は怪我をした際に脳震盪を起こしたようで、現在は意識を失っている。だが、マリューも事情は理解できるので、苦渋の決断をする。

「わかりました……。アークエンジェル、発進します。直ちにモビルスーツを戻してください」

マリューは、唇をきつく噛み締める。無理やり戦いに巻き込んでしまったキラを、自分達の勝手な都合で切り捨てることは、かなり心が痛むし心理的抵抗が大きい。だが、今のマリューには、それ以外に出来ることはないのだ。




ヴェサリウスでは、クルーゼが焦りを感じ始めていた。とっくに来ていなければいけないアスカからの報告が、未だ来ていないからだ。このままでは、作戦に大きな支障が出るかもしれないため、流石のクルーゼも動揺を隠し切れず、ついつい部下にきつい口調で詰問してしまう。

「遅いな。アスカからの連絡はまだなのか?」

クルーゼの顔からは表情が読み取れないが、ぐっと握り締めた拳から、平静ではないことがわかる。ハルバートン率いる第八艦隊を仕留められれば、クルーゼの名声は更に大きなものとなる。だから、クルーゼはこのチャンスを逃したくはないのだ。

「はい……。いえ、たった今、連絡が来ました!」

返事の途中で、アスカから通信が入ったようだ。アスカの言葉を聞いたオペレータは、驚きの表情を浮かべる。

「何っ!早く報告しろ!」

アデスが横から口を挟むと、オペレータは上ずった声で報告する。

「アスカは、偵察任務に失敗……。敵に発見され、交戦……。足つきは、逃亡したとのことですっ!」

それを聞いた瞬間、クルーゼは文字通り飛び上がった。

「アスカめっ!しくじりおったかっ!」

クルーゼは、血が滲むほど唇を噛む。周りの者は、これほど感情を露にしたクルーゼを見たことがなく、ブリッジに緊張が走る。

「隊長、いかがしましょうか?隊を2つに分けて、足つきを追撃しましょうか?」

アデスがクルーゼの顔を伺うが、クルーゼは一笑に付す。

「たった1隻で、足つきが落とせるのかね?僅か2隻で、臨戦態勢にあるうえ、ハルバートン率いる月艦隊に勝てるのかね?」

そう言われると、アデスとしても返す言葉が無い。そこに、オペレータが続報を伝える。

「ただし、第八艦隊多数の鹵獲に成功。至急、白兵戦部隊の編成を請うとのことです」

その報告に、誰もが唖然とした。

「冗談にもほどがある。たった1機で、ハルバートンを倒せるはずがなかろう!」

クルーゼは、アスカの報告を信じず、艦隊を襲撃する態勢のまま第八艦隊に接近した。クルーゼは、この時の判断ミスで、みすみすアークエンジェルを撃沈する――もしかしたら最後の――機会を失ったのである。もしもアスカの報告を信じて、アークエンジェル追撃部隊を急行させていれば、あるいはアークエンジェルの運命は終わっていたかもしれない。些細な判断ミスが、後に大きな影響を与えることになる。




その後色々とあったが、それはさておいて、ヴェサリウスで親友二人が感動?の再会を果たしていた。

「キラ!良かった、無事だったんだな……」

キラと再会したアスランの目は、涙で潤んでいた。これでもう、親友のキラと戦わなくてすむ。そう思うだけで、嬉しくてたまらないようだ。

「アスラン……」

他方、キラもまたアスランとの再会に、感極まっているようだ。何かを言いたがっているようなのだが、言葉をなかなか出せない。

「なーにやってんのよ、辛気臭いわねっ!」

そこにアスカが現れ、二人の背中をバシッと叩く。その勢いが強かったのか、アスランもキラも、ケホケホとむせてしまう。

「アスカ、いきなり酷いな」

アスランはむっつりし、キラは目を丸くしている。しかし、アスカは全く悪びれた様子が無い。男なんだから、小さいことは気にしないでと言って笑う。

「まあ、いいじゃない。それよりもさ、朗報よ。キラ君の待遇なんだけど、コーディネイターだったんで、敵の捕虜になっていたってことにしておいたから。だから、プラントにも行けるし、オーブにだって戻れるわ」

アスカは、かなり苦労したんだからねと言って得意気になる。実際、クルーゼやアデスとの取引は困難を極めたが、第八艦隊壊滅作戦の立案をクルーゼが行ったことにし、手柄を分け与えることによって、クルーゼの譲歩を引き出したのだ。アスカとしても、貰える勲章が変わるわけでもなし、クルーゼの名声が上がることに異論があるわけでもなし、お互い損の無い取引だと思っている。

もちろん、キラがパイロットだったことは、クルーゼには秘密にしてある。アスカが地球軍に、ザフトの捕虜がいたら引き渡せと言ったところ、たまたまアークエンジェルに捕虜がいたので、一石二鳥とばかりにストライクに乗せて射出させた、ということにしてある。

「良かったな、キラ。お前は、戦場にいるべきじゃない。プラントで少しゆっくりしてから、オーブに戻れ。いいな?」

アスランは、アスカに礼を言った後で、キラにオーブに戻るように促した。だが、キラは首を縦には振らなかった。どうしても、アークエンジェルの仲間が心配だと言うのだ。だから、何とかして欲しいと言って譲らない。これには、アスランも頭を抱えてしまう。




その頃クルーゼは、第八艦隊の扱いをどうするのかで頭を悩ませていた。クルーゼは、色々考えた末に、最低限の地球軍クルーに操艦させ、それ以外の第八艦隊の大多数のクルーを補給艦など足の遅い艦に閉じ込めることにした。1艦当たりに割ける兵士がせいぜい10人程度なのだから、せいぜい地球軍兵士の監視程度しか出来ない状況では、他に良い方法はない。それでも、数百人の人員を割かれたため、自分達の艦すらまともに動かせない状況に陥っている。

あと1日で応援の艦隊が到着するので、合流後に艦隊の再編を行い、3部隊に分かれて出発する予定だ。クルーゼの部隊はプラントへ直接向かうが、ゼルマンともう1部隊は、リスク回避のため別々に宇宙要塞ボアズへ向かって、使えそうな艦をボアズへ残し、それからプラントへ戻ることになっている。

捕虜は、全員がプラントにいったん送られ、そこで処遇が決められる。アスカの提案もあり、敵の捕虜と交換する方向で話を進める予定だ。




地球軍の兵士には、少ないけれど女性もいる。その女性を狙う不届き者達がいた。とある艦では、まだ十代の少女が数人のザフト兵士に連れ出され、士官用の個室に閉じ込められていた。

「ちっ。ナチュラルは、碌な女がいねえな」
「まったくだ。こいつも、今ひとつだな」
「まあ、いい。今は女なら、誰でもいいさ」

兵士達は少女に一斉に襲い掛かり、嫌がる少女の衣服を無理やり剥ぎ取り、少女の身体を好き放題に蹂躙しようとした、まさにその時だった。

「へえ、お盛んねえ」

恐ろしく冷たい声がした。その声に男達が振り返ると、赤服の少女が目を吊り上げて仁王立ちしていた。

「いや、この女はスパイの疑いがあってな。これから調べようとしてたんだ」
「そうそう。かなり怪しい女でな」
「何か武器でも持ってやしないかと、調べるところだったんだよ」

男達は、瞬時に赤服の少女が、単身で第八艦隊を壊滅させたアスカであることに気付き、口からでまかせを言って逃れようとした。だがアスカは、更に冷たい目で男達を見つめる。

「そういうことなら、アタシがやるわ。女は、女が調べたほうがいいのよ。男は、女に甘いしね。あんた達は、持ち場に戻った方がいいわよ」

アスカが睨みをきかせると、男達はすごすごとその場を去っていった。流石に、ネビュラ勲章を受けたパイロットに襲い掛かるほど、愚かではなかったようだ。男達が部屋から出るのを確認すると、アスカは少女に近寄った。

「ごめんなさいね、怖い思いをさせてしまって。ザフトは、あんなゲス野郎ばかりじゃないんだけどね」

少女は、アスカの声を聞くと、安心したのか泣き出してしまった。そして、10分ほど泣き続けると落ち着きを取り戻し、アスカに頭を下げた。

「こ、怖かった……。た、助けてくれて、ありがとう。あなたが来てくれなかったら……」

少女の目に、新たな涙が溢れる。良く見ると、少女の服や下着は破かれ、再び身に着けるのは難しそうだった。アスカは、やむを得ず自分の上着を少女に着せ、自分の部屋へ連れて行くことにした。


代えの下着と服を着せて、少女が落ち着いたことから、アスカはその少女をキラと会わせることにした。少女を元の場所に戻そうとしたら、怯えて顔が真っ青になったので頭を抱えていたところ、同じ地球軍にいたのだから、キラと一緒の方が安心するだろうと思いついたからだ。アスカが一緒についていればいいのだが、アスカにはまだやらねばならぬ事があり、さりとて他のザフト兵に頼むわけにもいかなかったからだ。

「ねえ、キラ。悪いけど、この子の話し相手になってくれないかしら?」

事情を話した後でアスカが頼むと、キラは頷いた。

「うん、いいよ。僕も何もすることがないし、話し相手が出来てよかったよ」

キラは、その少女に自分が今までアークエンジェルに乗っていたと打ち明けた。すると、少女は目を大きく見開いた。

「それじゃあ、フレイ・アルスターを知ってる?私の友達なんだけど」

これには、キラも驚いた。

「うん、知ってるよ。それに、フレイの婚約者のサイとは同じ大学で同じゼミだったし。フレイのお兄さんのシンジとも仲良しだしね」

「まあ、奇遇ねえ」

少女は、共通の友人がいることを知ったためか、キラに直ぐに打ち解けた。

こうして、キラと少女の話は大いに盛り上がる。




少女とキラが打ち解けて話すのを見届けたアスカは、再び地球軍の戦艦へと向かった。目的は、アスカが使ったウイルスの消去と、地球軍の情報収集だ。少女を見つけたのも、目的を果たす途中でのことであり、全くの偶然だった。

アスカがなぜウイルスを消去するのかというと、その存在をザフトにすら知られたくないからだ。ウイルスを悪用されると、民間人にまで大きな被害が出かねない。そう、大勢の民間人を死に追いやった、ニュートロンジャマーのように。アスカは、そんな事態を招くことは避けたかったのだ。

アスカが第八艦隊を壊滅出来たのは、このウイルスによるところが大きい。被弾すると、それを合図にして各所で故障が起き、いかにもアスカの攻撃が原因のように思わせることが出来る優れものだ。だから、アスカの攻撃が多少外れてもモビルアーマーの発進口は開かなくなり、アスカの一方的な勝利へと繋がったのだ。

地球軍の情報収集は、級友を殺した黒幕に繋がる情報が欲しいのと、足つきに関する情報が欲しいがために行った。足つきに関する情報が多ければ多いほど、人的被害を出さずに倒すのが楽になるからだ。だが、情報の方は思ったほど集まらない。

「まだまだ、道のりは長いわね」

アスカは、深いため息をつく。だが、突然いい考えが閃いた。

「あの子、フレイ・アルスターの友人だって言ってたわよね」

アスカがニヤリ笑いをした瞬間、その少女の運命は大きく変わった。




翌日、アスカは主だったパイロットを自分の部屋に集めた。むろん、アスカがブリッツのパイロットであることは、絶対にキラには秘密だと念押ししたうえでだが。

「あーあ、惜しかったぜ。足つきには、まんまと逃げられちまった」

最初に、ディアッカが愚痴をこぼす。ディアッカは、イザークやラスティと共に足つきを追ったのだが、結局大した被害を与えることは出来なかったのだと言う。

「それで、イザークやラスティはどうなったんですか?」

ニコルが心配そうな顔をして聞くと、ディアッカは地球に降りたと事も無げに言う。

「奴ら、深追いしすぎてな。まあ、おかげで足つきは、北アフリカに追い落とすことができたんだけどな」

ディアッカは、アスカにウインクする。アスカは、足つきを落とせないことがわかっていたため、次善の策として、ザフト勢力圏に足つきを落とすべく作戦を立案し、それをイザーク達に実行させたのだ。結果は上々。バスターの強力な攻撃をかわすことに夢中だった足つきは、見事ザフト勢力圏に追い落とされたのだ。

「で、これから俺達は二手に分かれる。プラントに戻る組と、足つきを追う組だ。まあ、俺とアスランは戻る組だろうがな」

ミゲルは、仕方ないがと言って悔しそうな顔をする。そこで、キラがとんでもないことを口走った。

「僕も、アークエンジェルを追う組に入れてください。皆さんの手助けをします。その代わり、なるべく死傷者が出ないやり方で攻撃して欲しいんです」

キラは真剣な表情で言うが、皆呆れた顔をする。だが、ただ一人真面目に受け止めた者がいた。アスカである。

「キラ。アンタが絶対にアスランを裏切らないって誓えるなら、アタシがなんとか隊長に掛け合ってもいいわ。その代わり、アスランもキラと一緒に地球に降りてもらうことになるけど、いいかしら?」

アスカの言葉を聞いたキラは、飛び上がるようにして喜んだ。

「本当ですか?はい、何でも言うことを聞きますよ」

他方、アスランは諦め顔で言う。

「キラは、一度言ったら聞かないからな。いいだろう、俺も地球に降りるよ」

こうして、アスカ、アスラン、キラ、ディアッカがジブラルタルに降り、ミゲルとニコルはいったんプラントに戻ろうということになった。後は、アスカがクルーゼを上手く言いくるめるだけだ。

「まあ、なんとかなるかもね。アスランからも頼んでもらうから」

アスカは、キラ向けにそう言ったが、実は違った。既にクルーゼとは取引済みで、キラを含めて好きなメンバーを連れて地球に降りても良いとの内諾を得ていたのだ。こうなることを予見して、クルーゼと交渉していたアスカの読み勝ちである。

そして、それからアスカは、足つきのどこに助けたい友人がいるのかを詳しく聞き、足つきを攻略するための情報を得ることに成功していた。友人を助けたいと必死になってしゃべるキラからは、必要な情報が取り放題だったのだ。

とはいえ、アスカも親友のラクスに優しくしてくれた人達は、出来れば助けてあげたいと思っている。そのため、アスカは様々な策を練ることにした。




数時間後、ようやく応援の艦隊が到着した。そのため、ようやくアスカ達は地球に降りることが許可された。アスカ達は地球軍のシャトルに乗って、とりあえずジブラルタルへと向かうことにしている。アスカ以外のメンバーは、アスラン、キラ、ディアッカ、それに昨日アスカが助けた少女だ。もちろん、無理やりではなく、少女の同意を得てのことだ。少女は、プラントへ向かうことよりも、アスカと一緒に居ることを選んだのだ。

なお、モビルスーツは別便で届くことになっている。モビルスーツを地球に降下させることがない地球軍からは、輸送手段を徴発出来なかったからだ。

なお、地球では、アスカとキラがストライクルージュに乗り、アスランはイージス、ディアッカはバスターに乗る予定だ。これ以外に、予備機としてブリッツも持っていく。

「明日は地球か……。果たして、上手く戦えるかしら……」

アスカは、一人弱音を吐くのだった。





あとがき

当初の予定には無かったのですが、キラが仲間になりました。これで、アスランとキラが殺しあうことは無くなるかもしれませんし、ニコルの死亡イベントも、回避されるかもしれません。キラフレも、可能性がほぼ無くなりました。また、アスカ達はプラントに戻らず、直接地球に向かうことになり、原作よりもアークエンジェルと戦う機会が増えるでしょう。

次回からは、地球が舞台です。